焦りや不安で動けなくなったときのリセット習慣
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【目次】
1. はじめに
2. ミスをした直後、心はどうなっているか
2-1 脳が「戦うか逃げるか」のモードに入る
2-2 自己否定の言葉が頭の中を支配する
3. 心を立て直すための5分間ルール
3-1 まず3回深呼吸して「立ち止まる」
3-2 起きたことを一文で「事実だけ」書き出す
3-3 小さく「できたこと」も一緒に思い出す
4. まとめ:技士に必要なのは、ミスしない力ではなく、立て直す力
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1. はじめに
臨床工学技士として現場に立っていると、
「やってしまった」と思う瞬間が必ず訪れます。
機器の設定を忘れていた
伝達ミスで物品が足りなかった
声のかけ方がきつかったかもしれない
そんな時、多くの人が焦り、自己嫌悪に陥り、
そのあと数時間ずっと落ち着かない状態が続きます。
でも実は、「その瞬間の5分間」がとても大切です。
この5分間で、落ち込みに飲まれるか、自分を立て直せるかが決まります。
今回は、私自身も実践している「ミス後の5分間リセット法」を紹介します。
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2. ミスをした直後、心はどうなっているか
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2-1 脳が「戦うか逃げるか」のモードに入る
ミスをすると、脳は“危機”と判断し、防衛本能が働きます。
結果として、
・顔が熱くなる
・言葉が出ない
・早く動こうとして余計に手順を飛ばす
といった反応が出てしまいます。
この状態では、冷静な判断力はほとんど働いていません。
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2-2 自己否定の言葉が頭の中を支配する
「なんであんなことしたんだろう」
「もう信用されない」
「技士失格かもしれない」
自分を責める言葉が頭の中を占めはじめ、ミス以上に自分の存在そのものが否定されているような気持ちになります。
ここで必要なのは、責めることではなく、立て直すことです。
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3. 心を立て直すための5分間ルール
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3-1 まず3回深呼吸して「立ち止まる」
焦って動こうとすると、さらにミスを重ねてしまいます。
まず、どこか静かな場所に移動し(トイレや倉庫などでも可)、
ゆっくりと鼻から息を吸い、口からゆっくり3回吐いてみましょう。
「いったん止まる」ことで、自律神経が整いはじめます。
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3-2 起きたことを一文で「事実だけ」書き出す
スマホのメモや裏紙などに
「午後の透析で除水設定を間違えた」など
感情を入れず、事実だけを書くことがポイントです。
不安や怒りは、あいまいな思考から生まれます。
明確に書き出すことで、気持ちは少しずつ整理されていきます。
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3-3 小さく「できたこと」も一緒に思い出す
たとえばミスをしても
・すぐに上司へ報告できた
・患者さんには安全が保たれていた
・次に備えて準備をすぐに整えた
など、小さな「できたこと」もあったはずです。
事実と一緒に、それも記録することで、
「ミス=全否定」という思考から抜け出すことができます。
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4. まとめ:技士に必要なのは、ミスしない力ではなく、立て直す力
誰でもミスはします。
経験年数、職場の規模、優秀さに関係ありません。
大事なのは、
「ミスした後にどう動けるか」
「気持ちをどう切り替えるか」
その力こそ、長く働く上で一番の財産になります。
今日紹介したリセット習慣、ぜひ明日から5分だけ試してみてください。
臨床工学技士が教える、ミスのあと5分で心を整える思考ルール

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